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番外編:さまざまな得点表示方法

さて、今回は少し寄り道をします。 「クイズにおける得点表示とは?」 で述べた通り、アマチュアクイズの世界では、時と場合に応じて、様々な得点表示方法が用いられます。 そこで、代表的な5つの方式について、私なりの考えをまとめてみたいと思います。 なお、フリバの場合は「各自、脳内や指で数える」という方法が取られることが多いですが、これは「得点"表示"」ではないため、取り扱いません。 ①黒板・ホワイトボード上に手書きで書く 方法 ・ホワイトボードに参加者の名前を横並びに書き(もしくはネームプレートを磁石で貼る)、名前の下にスコアを書く。 ・正解数と誤答数は、○と×をその都度書いていくことが多いが、長期戦になる場合は、あらかじめ○と×を1つずつ書いたあと、その下に「正」の字を書いていく場合もある。 (例:「新人王/早押王」のアタック25分) ・勝ち抜け・失格・順位も手書き。 利点 ・施設に備え付けてある場合、特に準備することもなく簡単に利用できる。 ・得点だけじゃなく、ルールなどを書き込むことができ、柔軟性が高い。 欠点 ・部屋が大きくなるほど、視認性が悪くなる。 ・m○n×のように、記号を書き足していくだけでよいものならまだしも、+1/-1などのような、得点が増減するような場合は、書いた文字をいちいち消して書き直さなければならない手間が生じる。 ・少なくとも1人は記入係が必要なため、サークルの企画等の場合は、誰かに手伝ってもらう。 ・手などが汚れる可能性がある。 ②黒板・ホワイトボード上に磁石を貼る 方法 ・基本的には①と大差ないが、正解や誤答、順位などを磁石ないし磁石つきのプレート(ラミネート加工されたものなど)で表示する。 ・○数を磁石分貼るという方法もあるが、これでは大量の磁石が必要になってしまう。そこで、黒板上にマス目を書き、ポイントを得るごとに進ませるといった方法もある。 利点 ・磁石を進ませる方式の場合、ある程度大きい部屋でも得点状況がわかりやすい。 ・手が汚れる心配がない。 欠点 ・小さな道具を多く用意する必要がある。 ・ゆえに、会場に忘れ物をする可能性がある。 ・磁石に触れようとしてうっかりどっかに行ってしまう可能性がある。 ③紙コップなどの小物をテーブル

「m○n休クイズ(固定型)」の得点表示の作り方

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「誤答したら○回休み(次の○問解答権なし)」というルールの得点表示の作り方を解説します。 こちらもテレビなどでおなじみのルールですね。競技クイズにおいては「m○n休(mマルnヤス/キュウ)」と呼ばれることが多いです。 テレビクイズの場合は1回休み、アタック25ですと2回休みという場合が多いですが、abcではかつて、5人対戦で「10○10休」というルールが行われたことがありました。「間違えたら10回休み」というのは、ちょっとテレビではお目にかかれないルールですね。 n休というルールは大抵の場合ポイントが減ることはないので、同じ数字で比較すると、誤答罰の中でも結構軽めの部類に入ります(プレイヤー人数にもよりますが)。 また、場合によっては、休む問題数が固定ではなく、「1回目の誤答で1回休み、2回目は2回休み、…」というように、誤答を重ねるにつれて解答権復活に時間がかかるルールも採用されます。こちらはいずれ解説します。 それでは、 「終わった問題」の行と「今の問題」の行を色分け表示する の続きから作っていきます。 完成品は こちら です。 【使用するExcelの機能】 ・関数「OFFSET」 ・条件付き書式 【作り方】 ①ルール設定セルを追加する 誤答罰を設定していたのはO列でしたね。 その右に列を追加し、P列を休み数設定セルとします。 見出しをクリックしてO列全体を選択したあと、「挿入」ボタンを押します。 P3セルに「休み」、P4セルに設定したい休み数を入力します。 上の画像では「5回休み」に設定しました。 誤答回数による失格を適用したくない場合は、O4セルに99とでも入力して下さい。 ②休み数記録テーブルを作る 前回 、 前々回 と同様に、N~U列の出番です。 N7:U56の範囲に格子状の罫線を引きます。 N6:U6の範囲には、0の数字を入力します。 次に、N7セルに以下の式を入力し、U56までオートフィルします。 =IF(D7="x",$P$4,IF(N6=0,0,N6-1)) 条件①:誤答したかどうか? D7セルは正誤スルー入力セルです。ここにxが入力された場合は、P4セルで設定した休み数と同じ数字を表示させます。 そうでない場合

連答機能をつける(等速ver.)

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早押しクイズのルールではしばしば、「連答」という概念が登場します。 簡単に言うと、「ある問題で正解した後、その次の問題も同じ人が正解する」ということです。他の人に正解されるまでは、「連答状態」は続きます。 補足すると、「解答者Aが正解→別の解答者Bが誤答」の場合は、解答者Aの連答状態は失われません。スルーの場合も同様です。 また、「解答者Aが正解→解答者Aが誤答」の場合、Aの連答状態はOFFになります。 連答ありのルールの場合、連答が成功するとポイントが一度に2点入るなどの特典があります。abcの第2Rの連答ボーナスつき5○2×が代表例ですね(fourthまでは即勝ち抜けでした)。 場合によっては、「2連答で2点、3連答で3点、4連答で4点」…というように、連答回数で加算ポイントが加速していくものもあります(例:abcの"10 Hits Combo"シリーズ、STUの"10 Points Ahead")。この方式は、また別の機会に解説します。 ※7/10: 加速型の連答機能の作り方 を公開しました。 今回は、連答ボーナスつき5○2×を作ってみましょう。何連答しても+2点という「等速型連答ボーナス」です。 基本⑤ の続きから作っていきます。 単に「連答すれば+2点」という機能を作るだけでなく、「連答状態中(=次正解すればボーナス)であることを表示する」という仕様も実装します。 完成品は こちら です。 【使用するExcelの機能】 ・関数「OR」 ・条件付き書式 【作り方】 ①連答状態記録テーブルを作る 「連答状態」の場合は1、そうでない場合は0を表示するテーブルです。 前回紹介した アップダウン と同様に、N7:U56の範囲のセルを使います。 格子状の罫線を引いておきましょう。 また、N6:U6の範囲全てに0を入力しておくことも同じです。 次に、N7セルに以下の数式を入力し、U56までオートフィルします。 =IF(D7="x",0,IF(OR($L7<>"",COUNTIF($D7:$K7,"x")>=1),N6,D7)) 2つの分岐があるので、1つずつ丁寧に見ていきましょう。

「アップダウン」の得点表示の作り方

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「アップダウン」の得点表示の作り方を解説します。 「アップダウン」とは、1回誤答すると、これまでに何問正解していようが、正解数が即0にリセットされてしまうというルールです。多くの場合は、「1回目の誤答で0点になり、2回目の誤答で失格」というルールで行われます。 これは、1963年から放送開始した視聴者参加型クイズ番組「アップダウンクイズ」に由来しています。特徴的なゴンドラ解答席や10問正解でもらえるハワイ旅行などで知られ、非常に人気の高い番組でした。 ルールのシンプルさ・求められる押しの精度の高さ・誤答でリセットというスリルからか、abcをはじめ、現在でもクイズ界では定番のルールです。 得点をリセットするという処理を行う方法はいくつか考えられますが、ここでは、各解答者の正解数の履歴を1問1問記録する方法を取ってみたいと思います。 「終わった問題」の行と「今の問題」の行を色分け表示する の続きから作っていきます。 完成品は こちら です。 【使用するExcelの機能】 ・関数「OFFSET」 ・関数「INDEX」 【作り方】 (正誤記録は完全に消去した状態から始めます) ①正解数カウントセル(非表示)を作る 7行目全体を選択し、セルの挿入を行います。 すると、新たに空白の6行目が作られます。 ②ポイント記録テーブルを作る 正誤スルー入力セルとは別に、問題が進むごとに、その人に対応する列・その問題に対応する行のセルに、その時点でのポイントが記録されてゆくテーブルを作ります。 例によって、「本番では見えない場所」に作ります。今回はN8:U57の範囲を使います。 N列が第1枠の人、O列が第2枠の人…U列が第8枠の人に対応しているわけです。 とりあえず、N8:U57に格子を描きましょう。 (誤答数表示欄の下に空白の6行目を作り、ポイント記録テーブルに格子を書いた状態) ③ポイント記録テーブルにポイントが記録されるように設定する ポイント記録テーブルでは、「はじめは0からスタート。正解すれば(=1が入力されれば)前のセルに1を足す。誤答すれば(=xが入力されれば)0に戻る。それ以外は前の行と同じ値を表示する。まだ出題されていない問題の行は-(ハイフン)を表示する」というようにします。 そこで、まず、N7:U